営業保証金の供託と取戻し

営業保証金の供託と金額(§7、§8)

営業保証金は、消費者保護の制度です。たとえば旅行が中止になり、その還付を旅行業者に請求したときに、お金が手もとになくなっちゃったから払えませんと言われたら消費者(旅行者)は困ってしまいます。

一定程度の支払能力がないような人や法人に旅行業をやらせると、消費者が害されます。旅行業者にあらかじめ国にお金を供託(預ける)させておくことで、消費者を守ろうとしています。金額は業種や旅行会社の取り扱い規模によって、変わります。

供託は、現金だけでなく国債や有価証券でもできます。主たる営業所の最寄りの供託所(=法務局)に供託をしたら、新規登録の通知をうけた日から14日以内に供託書の写しを登録行政庁に届け出る必要があります。この手続きを経ないと、登録が通っていたとしても、実際の営業を開始することはできません。旅行業の営業を開始するためには、登録と供託の両方が必要だということです1)登録時に必要な財産的基礎のお金とは別に、さらに供託金が必要です。たとえば第1種旅行業者(年間取引額が1億円)だったら、登録の財産的基礎が3000万円で、それにプラスして7000万円を供託しないといけないので、合計1億円を準備しないといけません。

14日以内に届け出がない場合、登録行政庁から、7日の期限内に届け出をするように催告がされます。それでも提出をしなかった場合、登録を取り消されてしまいます。

消費者保護のために作られた制度なので、「取引額」とは旅行者との間の取引額のみをさします。旅行業者同士の取引額は含まれないことに注意です。取引額によって供託金額が変わるため、旅行業者は毎事業年度終了後、100日以内に取引額を登録行政庁に届け出なければなりません(100日報告)。

営業保証金の取戻し

供託した営業保証金を取戻すこともできます。すぐに取り戻せる場合と、公告を経てからやっと取り戻せる場合があります。その取戻しに公告が必要なのかどうかを判断できるように理解するのがポイントです。

①法律が改正されて金額が変更になった場合や、②取引額が減って必要な営業保証金の額も小さくなった場合には、その差額をすぐに取戻すことができます。③変更登録をして種別が変わったとき④旅行業者の登録を抹消したとき⑤旅行業協会に加入したときに取戻しをするのであれば、「公告」が必要です。

公告は、旅行者に対して、6ヶ月以内に異議のある人は申し出てくださいと官報に掲載する手続のことをいいます 2)営業保証金は、消費者保護のための制度です。旅行者に何か損失を被らせてしまったときに、供託している営業保証金から賠償が支払われます。供託額は、いわば責任財産です。

業者が保証金を取り戻してしまうと、責任財産が減ることになります。支払ってもらえる財源が減らされて困るのは旅行者(債権者)です。そのため、不利益を被るかもしれない旅行者に対して、事前に取戻しをお知らせ(公告)し、納得がいかない人は期限内に申し出てください、という仕組みにしました。。ただし、③~⑤の公告が必要な場合だったとしても、取戻し事由が発生してから10年も経過している場合には、公告がいらなくなります。

変更登録をして種別が変わった場合。たとえば、第2種で登録していたときは1100万円の供託が必要でしたが、第3種への変更登記をした場合300万円で済むはずです。そのため、差額の800万円を取戻すことになります。

登録を抹消して旅行業者でなくなった場合。旅行業者でないなら、供託金は1円も必要ではなくなりますので、全額を取戻すことになります。

脚注   [ + ]

1. 登録時に必要な財産的基礎のお金とは別に、さらに供託金が必要です。たとえば第1種旅行業者(年間取引額が1億円)だったら、登録の財産的基礎が3000万円で、それにプラスして7000万円を供託しないといけないので、合計1億円を準備しないといけません。
2. 営業保証金は、消費者保護のための制度です。旅行者に何か損失を被らせてしまったときに、供託している営業保証金から賠償が支払われます。供託額は、いわば責任財産です。

業者が保証金を取り戻してしまうと、責任財産が減ることになります。支払ってもらえる財源が減らされて困るのは旅行者(債権者)です。そのため、不利益を被るかもしれない旅行者に対して、事前に取戻しをお知らせ(公告)し、納得がいかない人は期限内に申し出てください、という仕組みにしました。