「職業訓練校に通ってはダメな理由」みたいな記事から思うこと

検索結果の汚れは酷く、俯瞰してみてみれば「自分に都合の良くなるような情報」を流している人ばかりであることが分かります。

人それぞれ立場がありますから批判するつもりはありませんが、現在職業訓練校に通っている身として、ネットに流れる「職業訓練校ディス記事」についてマーケター的に思ったことをまとめておきます。

スクールか職業訓練か、検討中の方に届いてほしい。

無料の情報には必ず「意図」がある。

アンチマーケティングはれっきとしたマーケティング手法の一つではありますが、私はあまり好きではありません。ライティングは、相手(読者・あなたのことです)に、自分(売り手)が選んでほしい選択肢に辿り着かせるように練られた上で行われます。

その流れは「論理的」である必要があります。人は話が論理的でなければ、決断してくれないからです。

選択肢が①と②の2つあったとして、売り手は①を選ばせたいと思っているとします。その場合「①の選択肢が魅力的な理由」を述べることはもちろんです。

しかし、それだけでは①を選択する流れになるとは限りません。「①も良いけど、②も良い」からです。ここで①を選ばせる論理的な説得をするためには、②の選択肢を否定する必要があります。そうすれば読者は、「①は良いけど、②は良くない。だから①を選ぶ。」ことになります。

自分が選ばせたい選択肢を選ばせるために、別の選択肢を否定する作業は、売り手のセールスの論理を通すために利用されます。

さて、ここで「②が良くない」という話は、誰の利益になっているか考えてみましょう。

当然ですが、そのセールスマンにとって有利です。ライティングした本人は、「②が本当に皆さんのためにならないから、良くないと言っている」のではなく、「自分の利益になるから、②を良くないと言っている」にすぎません。

本心で良くないと思っているからそうやって書いているのか、自分の利益になるから書いているのか、その判別はどうやって行えばよいのだろう?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

考えるべきことは、何に誘導しようとしているかです。例えば、貼られているリンクを観察することが一つの目安になります。

  1. 職業訓練は○○なところが良くない
  2. →その反面、スクールにはこういう良いところがある
  3. →スクールの中ではココが人気(リンク)。ランキング形式になっていることが多い

こんなのはリンクを踏ませたいに決まってます。そのサイトが何を売っているのか(どこにリンクを飛ばそうとしているのか)は必ず確認しましょう。

特に、これからプログラマになりたい人に向けて職業訓練で学ぶことを否定している記事の場合、

  1. 転職サイトへのリンク(登録など)
  2. プログラミングスクールへのリンク(無料体験など)

の有無を確認してください。

「職業訓練校では3ヶ月~半年も学びます。座学で学べることと、実務に実際に出て学べる事には雲泥の差があります。訓練校に通う時間があったら、すぐに就職してしまい、実務にまみれてしまった方がスキルの伸びが圧倒的に違います。」

といった流れの話は、転職サイトへ登録をさせたいから。

「職業訓練には就職サポートがありません。数ヶ月の座学を経たくらいで、就職先なんてありません。あったとしても、ハロワ絡みの紹介する会社は全部ブラックばかり」

といった流れの話は、プログラミングスクールの体験授業へ送り込みたいから。

無料の情報には、必ず「意図」があります。だから無料なのです。

外部からの新しい情報を遮断するのは、これから生まれるかもしれない他の選択肢に気付かせたくない売り手の利己的な行動

上述してきたような既に読者の中に存在している別の選択肢を潰すことにプラスして、さらに売り手が利己的になると、「自分のところから逃げないように囲うため、新しい別の選択肢を芽生えさせないようにする」こともあります。

そのためには、「今ここで決断させる」「早くしないと、と焦らせる」。酷い場合には「外を見せない」「外を見ても良いものなどない、と教育(洗脳)する」等々の手法が考えられます。

このように、外部からの新しい情報を遮断する方法は、カルト宗教などの組織づくりにおいて団員を洗脳するために非常によく使われる手法です(人里離れた山奥に拠点がある団体を見たことがあるかと思います。そんな場所を選ぶのには、もちろん意図があります。)

他にあるかもしれないより良い選択肢を探させない、もっと悪い言葉で言えば「アホのままでいさせる」ということです。

そこには「読者にとって本当に良い選択肢を選んで欲しい」という想いはあるのでしょうか。

世の中の選択肢にはすべてメリットとデメリットがあり、それが『自分にとって』どのくらいメリットなのか、『自分にとって』どのくらいデメリットなのかが一番重要ではないのか

独学がいいのか、プログラミングスクールがいいのか、職業訓練校がいいのか、個別にメンターをお願いするのがいいのか。すべての選択肢にはメリットとデメリットがあります。

そしてそのメリットが、自分にとってもメリットになるのか・・・・・・・・・・・・・・・・、どの程度のメリットなのか考える。デメリットについても同様。そうやって自分の脳みそで判断しないと、他人の意見に流されることになります。

そもそも、「自分にとって」エンジニアはいい職業なのか、「自分にとって」稼ぎ続けられる職業なのか(つまり適性があるか)も考えないといけない。他にもいっぱいあります。

  • 「SESはよくない」
  • 「Web系自社でスキルアップ!」
  • 「いきなり実務経験を積める現場に行くべき」
  • 「研修がある会社の方が良い」
  • 「言語はやっぱりGo!Python!」
  • 「PHPで取れる案件では稼げない」
  • 「Javaはレガシー」(※これはネタです)

などなど、くそどうでもいい話が至るところで浮遊しています。すべての判断軸は、自分です。その話は「自分にとって」どうなのか。そうやって考えて決めないと、いずれ後悔すると思ってます。どんな選択であっても。